「遅れてごめん!和くん…………って、寝てる?」
ほら、やっぱりちーちゃんだった。
カタン、と静かに音を立てて俺の横に座ったようだ。
それから少しの間、ちーちゃんからの視線を感じる。
結構見つめられるって恥ずかしいもんだな。
「寝顔、あどけないなぁ。」
囁くような小さな声でそう言ったちーちゃん。
その後に「………失礼します」という言葉とともにちーちゃんの手が俺の頬に触れた。
「うわぁ、絶対女子より肌綺麗。」
ちーちゃんは俺が寝ていると思っているのだろう。
気を抜いて、いつもはしないことをしている。
そのあと、そっと俺の髪にも触れた。
「可愛い……」
可愛い、か。
ちーちゃんに可愛いと思われるのはなんか嫌だなと思い、俺はネタバラシをした。
「へぇ、可愛いねぇ……」
「………っ!?起きてたの!?」
急いで俺から離れるちーちゃん。
恥ずかしそうにして焦っていた。



