「……へぇ、そんなややこしい関係なんだ。」


和くんは話を聞いて少し驚いていた。


「うん……。
やっぱり和くんには知っといてほしいって思ったから。」


「……まあでもだからってちーちゃんに手を出していい理由にはならねぇけどな。」


…………はい？


「悠河くんが手を出すわけないよ。
だって多分悠河くんも花音さんのこと好きだもん。


ただ、政略結婚っていう肩書きが邪魔してるんだと思う………」


「俺にはそれだけが理由に思えないけど。
なんか話を聞く限りでも深山がよくわかんねぇな。」


和くんも私と同じことを言ってる。


「そうだよね………。
ていうか花音さんの前ではちゃんと深山先輩か深山さんって呼んでね？」


「あ？嫌に決まってんだろ。
なんであいつに敬意を示さなきゃいけないんだよ。」


…………どうやら和くんは悠河くんのことが嫌いなようだ。


少し不安を抱えながら、私と和くんは集合場所へと向かった………。