「和也って意外と重いんだな。」
「それでもちーちゃんが嫌がってねぇからいいんだよ。」
「確かに、千紗はバカだもんね。いい意味でだけど。それに千紗も橋本と同じで一途だし。」
それも知ってる。
ちーちゃんが真っ直ぐで純粋で一途なことくらい。
だからそんなちーちゃんを見て惚れてしまう男がいるんじゃないかと心配でたまらない。
「それもそうか。ま、過保護はほどほどに。」
そう陽が言った後にちーちゃんが教室へと戻ってきた。
「和くん!ダブルデートなんだけど今週の土曜日っていける?」
いけるに決まってるだろ。
ちーちゃんのためなら意地でも予定をあけるし。
「ああ、いける。」
「やった。じゃあその日ね、遊園地行こうってなったの!夜は観覧車の上から見る夜景が綺麗なんだって!
花音さんと電話で決めたんだ。」
楽しみ!と言って笑うちーちゃん。
そんなちーちゃんの笑顔が見れるなら、別にダブルデートでもいいか、と思ってしまう俺がいた。
ただ………
深山だけには注意をしないといけない。
…………そして、それからは特にちーちゃんと深山が話してるところも見ずに土曜日を迎えた。