「千紗は深山先輩とダブルデートの予定を決めてるわよ。」


俺が聞く前に百田が言ってくれた。


「まじか。どんな感じだったんだ?」
「何で陽がそんな興味津々なのよ。」


いつのまにか百田も陽のことを名前呼びになっていた。


「だって深山先輩って和也と肩を並べるくらいイケメンじゃん?黒髪になってから余計かっこよくなってね?」


「あー、それはわかるかもしれない。
でも橋本のファンの方が圧倒的に多いわよ?」


「和也の裏の顔を知ってから増えたファンも少なくないもんな?」


2人して俺の方を見てくる。


「俺は別にちーちゃんしか興味ない。」
「じゃあ橋本、深山先輩と千紗の間に乱入しなくていいの?」


「本当だ。行ってやれよ。
俺のちーちゃんに手を出すな!ってな。」


今こいつ馬鹿にしたな。


余計イライラしてきた。


「おい和也冗談だって。そんな怒んなよ。」
「橋本って本当に千紗に溺れてるわよね。
いいな、私もこんなイケメンに溺愛されたい。」


「なっ、麻里!それは俺が許されねぇぞ!」
「そんなん橋本や深山先輩が私なんかに惚れるわけないでしょ。」


2人に付き合ってる暇はねぇ。


とりあえず………深山は注意しとかないとどうなるかわからねぇ。


多分婚約者がいるっていうのは本当だろうから今はちーちゃんに手を出す、ってことはないはずなんだけど………


これからちーちゃんに目移りするかもしれねぇから………


「あ、やばい。和也ガチの目してる。」
「まあ千紗を信じてあげなよ?あの子も橋本のこと大好きなんだから。」


そんなの知ってる。


けどちーちゃんがその気じゃなくてもちーちゃんに他の男が触れるなんて許されない。