「これは予想外だったな。」
「これで満足？だからもうちーちゃんに近寄るな。」


「それは無理だなぁ。だって千紗ちゃんといると俺、楽しいもん。」


「はぁ！？お前それ相手いるくせに言う言葉かよ。」
「楽しいとは言ったけど好きとは言ってない。」


「それでもありえねぇだろ。」


………悠河くんは楽しそうに笑っていたけれど。


本心はわからない。


昨日に桐沢さんから話を聞いたけど………和くんは知らないんだよね。


「まあ正直人それぞれだと思うけどな。」


そう言って悠河くんは笑った。


だけど今までの楽しそうな笑顔とは違って少し切なげにも見えて………


「じゃあ俺、もう行くね。」


悠河くんが振り向こうとした瞬間。


ここで終わったらいけない気がする。
桐沢さんにも頼まれたんだから私が少しでも力になれたら………


そう思った私は
「悠河くん！」と言って彼を呼び止めた。