「か、和くん!?何して………」
「もうめんどくせぇ。」


急に低いくひどく落ち着いた声が和くんから発せられる。


その瞬間騒がしかった周りが静かになった。


「お前さ、なに人の女に手出そうとしてんの?邪魔したいわけ?


残念だけどちーちゃんは渡さねぇよ?」


こ、これは………確実に裏の和くんが出てしまっている。


悠河くんはというと最初は目を見開き驚いていたけど、すぐに理解したようで


「そういうことだったんだ。」
と言ってニヤリと笑っていた。


「千紗ちゃん、とんでもなくやばい男に捕まっちゃったね。いつでも俺のところに来ていいからね?」


「はぁ?行かせるわけねぇだろ。
お前だって相手いんのによくそんなことが言えるな。」


「ちょ、ちょっと……!
和くん!?裏の顔がだだもれだよ!?」


「そうさせたのはちーちゃんだろ?
もういい。今までは良い顔してた方が楽だったけどちーちゃんがいればもうどうでも良くなった。」


「それはごめん………。
だけどさすがにいきなりすぎだよ!みんなの前で普通キスする!?」


「ちーちゃんが他の男に触れられるのが悪い。」
「だからってそんなこと」


「それ以上言ったらまたキスで黙らせるから。」
「…………っ!」


これは私の負けだ。


和くんに恥ずかしさというものはないの!?
もう私は黙るしかない。