「ちゃんと付き合ってますよ。」


………もしこのままだと和くんの本性がバレてしまうんじゃないか、と思ってしまう。


いや、多分大丈夫だろうけど。


「そうだよ悠河くん!
変なこと聞かないで早く離してってば……!」


「だから嫌だって言ってるじゃん。
付き合ってたとしても、なんか変。


千紗ちゃんだって和くんって呼んでたのに、人前とかだと急に橋本くんって言い方変える時点でおかしいんだよね。


………なんか隠してない?
もしかして千紗ちゃん、橋本に利用されてるんじゃないの?女除けとかって理由で。」


一瞬ギクリとしてしまう。


いや、だって違うけどさ。
最初は女除けだって言われたから、間違いではないよね。


でも本当は女除けが理由じゃなかったけど!!


だけどバカな私はつい口を滑らせてしまう。


「……ハーフアンドハーフってとこですかね?」
「…………へぇ、やっぱり間違いではないんだ。」


するとまたまた周りが騒ぎ出した。


麻里も私をみて口パクで【バ・カ】と言われるし………。


やらかしてしまったんだと気づく。


「だけど今はちゃんとお付き合いしてるから………きゃっ!?」


話してる途中で急に反対側の腕を和くんに掴まれ、グイッと引っ張られる。


そして悠河くんの手が離れた。


「…………は、橋本くん……?」


ゆっくり顔を上げると、そのまま和くんに唇を塞がれる。


「「「キャアアッ!!!」」」


そして今度は今までと違って絶叫にも近い悲鳴が聞こえてきた。


少し間が空いてキスされたんだと理解する。


その途端顔が一気にあつくなり、唇が離された後も顔の温度は上昇中。