好きな人に告白されました




「悠河さんはお姉ちゃんのこと多分嫌いじゃなくて好き、なんだと思う。だけどそれは恋の意味で好きかはわからない。


…………だけど、政略結婚の話を伝えられた時から悠河さんはまるで親に逆らうように金髪に染めたりピアスを開けたりし始めたの。


元々昔から、親に反抗していて亀裂はあったみたいだけど………


なんていうか昔から無気力っていうか、何に対してもめんどくさそうだったみたい。


でも………」


桐沢さんはそこまで言ってまた私に視線を向けた。


「一度だけ、そうじゃない時期があったってお姉ちゃん言ってた。


楽しそうで、毎日が明るくて。
多分それが本当の悠河さんらしくて。


その頃の悠河さんは今でも忘れられないって言ってて………


それが小4の頃、お姉ちゃんはぼんやりとしか覚えてないらしいけど1人の女の子のおかげだって。」


そう言われ、私はもしかして、と思ってしまう。


「…………もうわかった?
今日のカフェでの話とか、悠河さんを見てわかった。


その女の子があなたでしょ?
きっと。」


確かに悠河くんは初めて会った時何事にもめんどくさそうだった。


高校で再会した時も最初は怖いとも思ってしまった。


だけど………本当に私のおかげなの……?


「私、何もしてないよ?」


「うん、だからあんたの性格が悠河さんを元気にさせたってことよ。


けどね、それもほんの少しの間だけ。
小5になると同時に私立の小学校に転校させられて、悠河さんはそれに対してもひどく怒ってたらしいの。


それでお姉ちゃんも後を追うように悠河さんと同じ小学校に転校したんだって。」


そこまで聞いて、花音さんの人柄がよくわかる。


多分私以上に純粋で真っ直ぐな人だって思う。