「千紗ちゃんが噂の女の子だったんだ。
びっくりした。」
なんだか昔の彼よりさらに無気力で冷たくなったような気がする。
感情がこもってないっていうか。
なんだろう?
「……そういえば………いつも悠河くんと一緒に女の子いなかったっけ?
その子も悠河くんと同時に転校したような……」
「あぁ、花音(かのん)のことね。
花音はあれから俺の後を追うように私立の小学校に入って、中学まで一緒だった。」
「私立に転校したの!?」
「そ。俺と花音の親は有名な会社の社長同士だから仲良いから。」
ほほう……それは知らなかった。
いわゆるお嬢様とお坊ちゃん的な?
御曹司ってやつか。
でも………
「中学までは?」
「………俺が花音から逃げるようにして、花音の頭ではいけないここの公立高校を受験した。公立ならお金とか関係ないと思って。」
なんで?
そう聞き返そうと思ったら同時に2人のスマホが鳴った。
思わずお互い笑みがこぼれる。
「2人同時にって笑えるな。」
「そうだね。」
そう言いながらお互い電話にでると………
『ちーちゃん、今どこにいるんだよ。
荷物教室に置きっぱだし、もうちーちゃんの荷物も持って門で待ってるから。』
という和くんの声がスマホ越しに聞こえてきた。



