すごい迫力……
明らかに金髪の彼は怒っていた。
顔には出ていないけれど、雰囲気が怒っているようだ。
「……で?あんたどうすんの?」
もう1人、私の腕を掴んでいる男を指差す金髪の彼。
「………くそっ。」
男は力の差を感じたのか、倒れ込んだ男を抱えるようにして去っていった。
「結局逃げんのかよ。ダサい上に面白くないな。」
そう言いながら今度は私の方を見た。
「……っ、あの、助けてくれてありがとうございまく………」
「別に、睡眠邪魔されてイラついただけだから。」
そう言いながら彼は近づいてきた。
「……けど何でこんなとこいんの。
あんた大丈夫?俺いなかったらやばいことなってたんじゃない?」
金髪だから不良なのかと思ったけど、口調や表情は優しい。
もう大丈夫という安心感からなのか、泣きそうになるが必死に堪える。



