「安心して。
こんな場所に人が来るなんてありえないから。」
ニヤリと笑う桐沢さん。
「桐沢さん……?どういうこと?」
「まあせいぜい抵抗しなよ?じゃあ私はこれで。」
桐沢さんは私を置いて道具を持って帰って行く。
私も追いかけようとしたら
「君はダメだよ。」
「俺たちの相手してもらわないとだからね。」
と2人の男に行く手を阻まれる。
見ない顔だ。
他校の人間か。
「やっ……!離して!」
抵抗するも叶わず、あっという間に壁際に追い込まれる。
「大人しくしないと知らないよ?」
「もう君は諦めるしかないんだから。」
余裕そうに笑う男に私は抵抗し続ける。
「やめて!離して……!!
誰か助けて!!」
心の中で和くん、と叫ぶ。
「うるせぇな。」
1人の男がそう言って、私を殴ろうとしたのか、腕を振り上げた瞬間……
「そこで何してんの?」
低く落ち着いた声が聞こえてきた。



