しばらく経ち、思ったよりもスムーズに進んであともう少しだった。
「案外早く終わりそうだね。」
「桐沢さんのおかげだよ。本当にありがとう。」
「いいや、私は当たり前のことしただけだから。」
ふふっと笑う桐沢さんは大人っぽくて綺麗。
それからまた少し作業を続けて、終わった。
「やった!終わった〜」
「お疲れ様!最後は暑くなっちゃったね。」
パタパタと手で顔を仰いだ桐沢さん。
「体操服に着替えとけばよかったかな。制服だと少し動きにくいや。」
と私も返し、軍手をとって袋を持つ。
そしたら突然桐沢さんが
「ねぇ、中山さん。」と私の名前を静かに呼んだ。
その声に何故か私はゾッとする。



