「ペンキ?何色がいるの?」
ちょうど近くにいた和くんが聞いてきてくれた。
「あ、青が欲しいな。」
「青色ね。はい、どうぞ。」
「ありがとう。」
和くんからペンキを受け取る。
「そういえば中山さんって今日最後まで残る?」
「うん、その予定だよ。」
「じゃあ俺も残ろう。一緒に帰ろうね。」
そう言って笑う彼は本当にかっこいい。
この笑顔に何度騙されたことか。
「うわっ、お前危ない!
ペンキと筆持ったまま暴れんなよ。」
「いいじゃん。てか陽、どう?すっげぇ力作じゃね?俺天才!」
近くでペンキを塗る作業をしていた陽くんと1人の男子が話していた。
「もうお前ダメだ。雑すぎる。
俺がやるから貸せ。」
「嫌だよ、絶対陽の方が下手くそだろ。」
津原くんはその男子から筆とペンキを取ろうとするが男子は後ろに下がってきて拒否していた。
そして私の方に近づいてきたかと思えば………
「うわっ!」
つまずいて後ろに倒れてきた。
このままじゃ私も巻き込まれる。
それなのに反応できずにペンキがこぼれてかかってしまうと思っていたら
「ちーちゃん危ない!」
と言う大声とともに腕を引っ張られる。
運良く私は一緒に倒れ込まず、ペンキもかからなかった(ちなみに男子はこけた上にペンキがこぼれてかかっていた)。



