もう和くんも高校生だ。
だから私なんか忘れてもおかしくない。
それから私にも橋本くんという彼氏がいるのに、初恋の和くんのことをどうこう言っていたって関係ない。
また橋本くんを怒らせるのは怖いし………。
あ、そうだ。
お母さんに聞いてみよう。
何か知っているかもしれないし。
私はそう思い、お母さんに聞いてみた。
「あぁ、覚えてるわ。
よく家にも遊びに来てた子よね。」
「そうそう。その子のこと、何か覚えてない?名前とか。」
「んー、いつも和くん和くん言ってたから覚えてないわね……。」
お母さんの言葉は期待していたものと逆だった。
「そっかぁ……。」
やっぱり諦めるしかない。
そう思っていたらお母さんが何かを思い出したように口を開いた。