帰り道。


ちーちゃんは変わらずぼーっとしている。


まだ母さんが言っていることを気にしてるのか?


いや、もしかしたらこれをきっかけに気づくかもしれない。


「…………おい、何ぼーっとしてんだよ。」
「……あっ、ごめん………ちょっと考え事してて………」


そう言うちーちゃんは少し落ち込んでいるような表情をしていた。


「………千紗?」


心配で思わずちーちゃんの名前を呼んだ。


「………本当に何でもないから!」
と言って無理矢理笑顔を作っていた。


これ以上追求してもちーちゃんは話さないだろうと思い、そっとしておくことに決めた………。