「………行くぞ。」
「えぇ!?待ってよ……!」


耐えろ、俺。


このまま急いでちーちゃんを家まで届けないと本気でやばい。


じゃないとちーちゃんは無自覚に俺を誘い続けてくるのだから……


「記念日は今日でいいよね?」


記念日?
俺にとったら毎日が特別だけど?


「そんな特別な日なんていちいち気にする必要ないだろ。」


「あー、橋本くんは女心がわかってない!
記念日は大事な日なんだよ?こうして想いが通じ合えた日。」


ふわりと笑うちーちゃん。


だめだ。
苦しいって言うくらい強く抱きしめてやりたい。


我慢しろ俺。


「俺はずっと両想いだって気づいてたし。」
「そんなのずるいよ!私の反応を見てて楽しんでたの?」


「まあそんな感じだな。」
「ひどい……!本当に苦しかったんだからね!」


だから怒り方が可愛いんだって。


お願いだから自覚してほしい。
自分が可愛いってことを。