そんな彼をちょっと可愛いと思ってしまう私は重症かもしれない。


「お前、さっきまで腰抜かしてたくせになんでそんな強気になってんだよ。」


「そ、それは……！」


恥ずかしい。
思い出しただけで恥ずかしすぎる。


「こうなったからにはもう知らねぇから。
俺嫉妬深いし我慢できなくなるかもな？」


私の近くで笑う彼はまた意地悪そうな笑みだった。


「それは困るよ……！」


さっきみたいなことをされたらまた、腰を抜かしてしまうかもしれない。


「じゃあ極力男と話さないことだな。」
「でも津原くんと麻里は多分両想いなんだよ？」


「そんなこと知ってる。
それでもだよ。じゃあ俺が百田と仲良くしてもいいんだ？」


麻里と、橋本くんが……？
そんなの……


「嫌だ。」
「そういうことだよ。」


満足そうに笑う彼。
私のことを見透かしてるみたい。


けど、まだ不安になることがある。


本当に橋本くんはこんな私が彼女でいいかなって。


両想いだとわかっても不安はなくならない。


「おい、行くぞ。」


突然歩き始めた橋本くんに急いでついて行く。


でも今は………


橋本くんが私のこと好きだと知って嬉しかったんだ………。