私が好きになる前から、橋本くんは私が好きだった………?


嘘………。
橋本くんは私のこと好きだったの……?


「それなら、なんで………」
「理由なんか言うわけねぇだろ。自分で気付けこのバカ千紗。」


バカ千紗!?


そんなの言われなくてもバカってことぐらいわかってるよ……!


それに……


「私の方が好きになるの早かったよ?
入学式の時からだもん。」


「ふーん?入学式から好きだったんだ、俺のこと。」


あ、待って。
絶対に今、恥ずかしいこと言っちゃったよ。


「ま、でも俺はそれより前だから。」
「え………?」


それよりも前って、どういうこと?


もしかして受験の日、とか?
いや、こんなイケメンに会った覚えはない。


ていうか今の状況って夢じゃないよね?


「本当に嘘じゃないの?
じゃあ女除けっていうのが嘘なの?」


「当たり前だろ。じゃないと陽と喋ってて嫉妬するわけねぇじゃん。」


「………っ、今認めたよね?嫉妬だって。」
「ああ、認めたけどそれがなんだよ。」


橋本くん、ちょっと投げやりになってない?