LHRを終えるチャイムが鳴り響く。



早速女子達が文句を言おうと席を立ち上がり、こちらへ歩いてきた。

隣のこいつは顔色がまた悪くなってきている。


舌打ちを打ちかけ、腰をあげようとした、その時だった。





ガラッッッッ!!





ドア壊れたか?という勢いで扉が開く。

驚いて全員がそちらを見ると、そこには一人の女が立っていた。


キリッとした気の強そうな顔に、女子にしては高い身長。

……あ、こいつ知ってる。

確か、晴人と同じバレー部の、神崎…





「咲楽っ…」







そう、それ…って。

隣のそいつを見ると、目を丸くして、でもどこか安心したように神崎を見ていた。



「明っ!無事!?なんもなかった!?怪我とか、大丈夫!?」



早口でまくし立て、アキラと呼ばれたそいつに心配そうに話しかけている。


ちらり、と静かになった女子達に視線を向ける。
全員顔面蒼白、中には逃げ出そうとしているやつまでいる。

…まぁ、無理もないか。