「行ってきまーす!」

一人暮らしの部屋に響く華の声。
華は元気が取り柄だ。

普段はウルサイなどと言ってくる澪も、華が苦しんでいたあの時に。

「華の笑ってる顔が1番好き。華が元気だと私も元気になる。私が絶対に華を守るから、笑ってて?」

そう言ったから。



「「「「ガチャ」」」」


ドアを開けると一斉にフロア全体のドアも開かれる。
華の目の前には、ドアを開けたままの竜也。


「「コントかよ・・・。」」

「おっはよー!」

澪と龍の無愛想な声と、朝から元気な竜也の声がする。

「ふふっ。」
華は笑って言った。
「おはよー。凄いタイミングだね!」

「な!息ぴったりじゃん!!」

「じゃあー、仲良く一緒に出勤しますかー!!」
「おーー!!」

「「竜也、華、うるさい!!」」


華は心から笑っていた────。