バスキミ

次の瞬間。

彼の左手に私の左肩を掴まれて、彼の方に引き寄せられる。

「さっさと…席に戻れ……」

お姉さんを彼が睨みつける。

「分かったわよ…。
本当にごめんね?」

「大丈夫ですから…」

「ごめんね?」

「はい……」

彼のお姉さんはさっき彼と座っていた席に戻った。

「頭…大丈夫?」

不安そうにしている彼。

「大丈夫ですよ…。
少しだけ痛いだけですから……」

「……ごめん…」

「謝らないで下さい……。
今、この状態になれたのは…お姉さんのおかげですから…」

「あっ…」

私の左肩から掴んでいる左手をどけようとする彼に。

「私が降りるまで…そのままで居てもらえますか?」

お願いしてみると

「……分かった」

彼は私のお願いを聞いてくれた。


「ありがとうございます…」


本当に君の事が



好き。