「嫌じゃないなら、良いよね?
座るよ?」

「ちょ…」

まだ良いって言ってな…。

見かけはにこやか爽やかだが、めんどくさそうな男が座ろうとした瞬間。

「誰だ…お前……」

彼が現れて、私の隣に座った。

どうして……。

「おい……。そこは俺が座る席なんだよ……。
どけよ……」

「………」

彼は何も言わない。

「おい……。聞こえて……」

彼が男を睨みつける。

「何だよ……。俺が先に……」

「君!! さっさと席に座りなさい!!!」

運転手さんが男に言う。

「分かったよ!!!
仕方ないな……」

男は諦めて、後ろの空いていた席の一つに座った。

「ありがとうございます」

「………」

私を助けてくれて……。


こんな彼氏……欲しいな……。