ダラダラ過ごしていた春休みが終わり、進級した私は高校2年生になった。

来年はもう3年生になるというのに、進学か就職か何も決められていない私。

そんな私に両親は

『とりあえず、勉強はちゃんとやるんだぞ』

『そうねぇ。受験する時のために、勉強はしていた方がいいわ』

だから、勉強しようとしてるんだけど…なかなか…。

受験は厳しいかな……。

♪♪♪~。

スカートのポケットから鳴る私のスマホの着信音。

私は慌てて、スカートのポケットの中からスマホを取り出すと、電話に出る。

〈心晴(こはる)ちゃん、ごめん。今、バスの中なんだ。後で、かけ直すね〉

〈分かった〉

電話を切ると、周りを見る。

4、5名ぐらいの人が私に視線を送っている。

すいませんでした……。

……やってしまった……。

マナーモードにするの…忘れてたよ……。

私はスマホをマナーモードにすると、スカートのポケットにしまった。