恋した冬

「・・・もしもし」
『あ、もしもし、下田です。』
「ねぇ、先生?手紙読んだ?」
『うん、読んだよ。』
「感動した?」
『感動した笑』
「ねーぇ?また来て?」
『んー、じゃー、受験合格したら逢いに行くよ』
「え?!ほんとに?!」
『うん、そっちの方ががんばれるでしょ?』
「うん!がんばれる!まじでがんばるわ!笑」
『うん、がんばれ。』

あとのことは緊張しすぎてあまり覚えていない。
だが、これだけはおぼえている。
声の乗らない、コソコソ話みたいな声で、『がんばれ。』と言ってくれたこと。