中は真っ暗だった。

「いらっしゃいませ」

突然肩を叩かれて、西山は飛び上がった。

「はじめまして。僕はここの案内人だよ」

西山が振り返ると、目の前に顔が――。

「うわぁー!!」

西山は叫び声を上げて後退りした。

「そんなに驚かなくても」
案内人はそう言って、ため息をついた。

「ここは『天国と地獄の部屋』」

「な、なんだそれ?」

「まだ分かんないかなー。あんた死んじゃったんだよ」

と、案内人は笑った。

「なに!?」

・・・そういえば。
コンビニを出て――。

「そうだ、トラックだ!――俺はあの時死んだのか・・」

「納得してくれたみたいだね。じゃあ、後ろ見てくれる?」

西山が後ろを見ると、

そこには


『赤の扉』と『青の扉』。

「扉を1つ選んで。それであんたが天国に行くか、地獄に行くか決まるから」

「天国か地獄・・?俺は生きてる時に強盗をした。・・地獄行きじゃないのか?」

「そんなこと関係ないよ。ここでは皆に平等にチャンスをあげるんだ。生きてる時に良い事をしても、ここで地獄を選べばそれまでさ」