時計が無いのでよく分からないが、随分時間が経ったように思う。

西山の後ろに並ぶ人も増えてきた。

西山の前には、あと二人。

ギギィー。

扉が開いて、次の人が入って行く。

――あと一人。

「なんだか緊張しますね」

後ろで晃子が言った。

「・・そうだね」

秋人はゴクリとツバを呑んだ。

中では一体何が行われてるんだ?


――数分後。


いよいよ、次は俺の番だ。
「何があるのか分からないけど、頑張って下さい」

晃子の言葉に、西山は静かに頷いた。

ギギィー。

扉が開いた。


「――それじゃあ」

西山はゆっくりと中に入っていった。