「おい彩望、大丈夫か?」
すぐに陽向が駆けつけてくれた。
「うん、私がいきなり立ったのがいけないの」
私はどれだけ性格が悪いんだろう。
さっきは彼のせいとかいいながら、好きな人の前では良い子のフリをする。
「おい濱田(はまだ)、俺の彼女に何してんだよ」
陽向が濱田と呼ばれたその彼を睨んだ。
濱田くんって言うのか。
ごめんね濱田くん。
少し我慢してね。
「陽向、私がぜーんぶ悪いんだから、濱田くんを責めないであげて、?ね、濱田くん」
にこっと濱田くんに向かって笑いかけると、また見つめられた。
彼の瞳は、私の全てを見透かしてそうで怖かった。
