「これでようやく、智樹はあたしのものに近付いたわね」
「あの女さえいなくなりゃ、完全に真琴のものっしょ!」
「そーそー、もうあとは遠藤を落とすだけじゃん?」
「さてと。そろそろ部活の時間だから行こうかな。今日は早めに行って、智樹にあたしの魅力を気付かせてあげないとね」
「じゃああたしらもバイトだから帰るわ」
「うん、また明日ね」
ようやく邪魔者が全部いなくなった。1年の白石とかいう女も、あたしの知り合いの金持ちイケメンをあげたらおとなしくなったし。
松永苺花はきっともうあたしの前には現れない。やっと、あたしと智樹が結ばれる。
「うっす」
部室前に行くと、いつも通り真面目な智樹がボールやカラーコーンを出していた。
「あ、いいよぉ遠藤。そんなのマネのあたしがやっとくからぁ」
「先輩、いつまで部活来てるんすか?」
「あたしはもう進路決まってるからいいの。ほらほら、智樹は早く着替えてきなぁ」
「...今日、色んな委員会で集まりあるらしくて。委員会入ってる奴らは、ほとんど遅れるらしいッス」
「あ...そうなの?」
それなら、まだ部活が始まるまで時間はあるし、人もまだ来てない。今しかないわよね?
「はい。じゃあ俺、着替えてきます」
「ねぇ待って、智樹」
振り返って行こうとした智樹の腕を掴んで、動きを止めた智樹に...そのまま後ろから抱きついた。
「...先輩?」
「ねぇ、智樹...気付いてたでしょ?」
あたしはゆっくり、智樹のお腹の当たりに置いていた手を下に下ろす。
「あたし、智樹が入ってきたときからずっと...智樹とこうしたいって思ってたのよ。智樹に振り向いてもらうために、マネの仕事も頑張ったし...ねぇあたし、もう卒業なの。そろそろ...あたしに、ご褒美くれても...良いんじゃない...?」
智樹はピクリとも動かない。ふふ、今ちゃんと考えてるのね。良いのよ、ゆっくりで。答えはもう決まってるんだから。
もし、あたしを拒否するようなことがあれば...あの女がどうなるかわかんないけどね。
「...真琴さん」
「...なぁに?」
いきなり名前で呼んでくるなんて、もうこれは確定。智樹もずっと、隠していただけで...あたしにそういう気持ちを抱いていたんだわ。
「真琴さんの、言う通りにしたら」
「うん?」
「もう、俺のせいで他の女が傷付くことも、無くなりますかね?」
「...他の女って、松永苺花のこと?」
「...はい」
「そうね...あたしと付き合ってくれたら、もう彼女には何もしないよう、他の人たちにもいっておくわ」
「ほんとっすか?」
「ほんとよ。あたしも、とても見ていられなかったわ...彼女が、他の女たちに傷付けられているところは。ごめんなさいね...とても、やめたほうがいいなんて、言える状況になくて」
このまま、あたしは見ていただけということを智樹に分かってもらえれば、成功する。もう少しよ、あたし!
「...わかりました。先輩と付き合います」
ふん、最初からその答えになるって分かってたわ。他の女のことを気にかけたのは少し気に食わないけど。まぁ結果オーライね。
「ねぇ智樹...キスして?」
智樹は少しだけためらいながらも、あたしにそっとキスをしてくれた。これでもう、智樹は一生あたしのモノ。思い知ったか、あの女。
唇を離そうとしたとき、智樹の肩越しに人が見えた。目を凝らして見てみると。
「(あら、松永苺花じゃない)」
松永苺花は、別の女と一緒に植木鉢を持っていた。
目が合った。
あたしは見せつけるように、離れそうになった唇を戻して、さっきよりずっと熱いキスをした。
「っ...先輩」
「もう、部活以外で先輩はナシよ。これからは真琴。ほら、早く着替えてらっしゃい」
「...うす」
智樹を部室に行かせて、松永苺花には目もくれず準備をした。きっと、よほどショックを受けているはず。ざまぁないわ。
「あの女さえいなくなりゃ、完全に真琴のものっしょ!」
「そーそー、もうあとは遠藤を落とすだけじゃん?」
「さてと。そろそろ部活の時間だから行こうかな。今日は早めに行って、智樹にあたしの魅力を気付かせてあげないとね」
「じゃああたしらもバイトだから帰るわ」
「うん、また明日ね」
ようやく邪魔者が全部いなくなった。1年の白石とかいう女も、あたしの知り合いの金持ちイケメンをあげたらおとなしくなったし。
松永苺花はきっともうあたしの前には現れない。やっと、あたしと智樹が結ばれる。
「うっす」
部室前に行くと、いつも通り真面目な智樹がボールやカラーコーンを出していた。
「あ、いいよぉ遠藤。そんなのマネのあたしがやっとくからぁ」
「先輩、いつまで部活来てるんすか?」
「あたしはもう進路決まってるからいいの。ほらほら、智樹は早く着替えてきなぁ」
「...今日、色んな委員会で集まりあるらしくて。委員会入ってる奴らは、ほとんど遅れるらしいッス」
「あ...そうなの?」
それなら、まだ部活が始まるまで時間はあるし、人もまだ来てない。今しかないわよね?
「はい。じゃあ俺、着替えてきます」
「ねぇ待って、智樹」
振り返って行こうとした智樹の腕を掴んで、動きを止めた智樹に...そのまま後ろから抱きついた。
「...先輩?」
「ねぇ、智樹...気付いてたでしょ?」
あたしはゆっくり、智樹のお腹の当たりに置いていた手を下に下ろす。
「あたし、智樹が入ってきたときからずっと...智樹とこうしたいって思ってたのよ。智樹に振り向いてもらうために、マネの仕事も頑張ったし...ねぇあたし、もう卒業なの。そろそろ...あたしに、ご褒美くれても...良いんじゃない...?」
智樹はピクリとも動かない。ふふ、今ちゃんと考えてるのね。良いのよ、ゆっくりで。答えはもう決まってるんだから。
もし、あたしを拒否するようなことがあれば...あの女がどうなるかわかんないけどね。
「...真琴さん」
「...なぁに?」
いきなり名前で呼んでくるなんて、もうこれは確定。智樹もずっと、隠していただけで...あたしにそういう気持ちを抱いていたんだわ。
「真琴さんの、言う通りにしたら」
「うん?」
「もう、俺のせいで他の女が傷付くことも、無くなりますかね?」
「...他の女って、松永苺花のこと?」
「...はい」
「そうね...あたしと付き合ってくれたら、もう彼女には何もしないよう、他の人たちにもいっておくわ」
「ほんとっすか?」
「ほんとよ。あたしも、とても見ていられなかったわ...彼女が、他の女たちに傷付けられているところは。ごめんなさいね...とても、やめたほうがいいなんて、言える状況になくて」
このまま、あたしは見ていただけということを智樹に分かってもらえれば、成功する。もう少しよ、あたし!
「...わかりました。先輩と付き合います」
ふん、最初からその答えになるって分かってたわ。他の女のことを気にかけたのは少し気に食わないけど。まぁ結果オーライね。
「ねぇ智樹...キスして?」
智樹は少しだけためらいながらも、あたしにそっとキスをしてくれた。これでもう、智樹は一生あたしのモノ。思い知ったか、あの女。
唇を離そうとしたとき、智樹の肩越しに人が見えた。目を凝らして見てみると。
「(あら、松永苺花じゃない)」
松永苺花は、別の女と一緒に植木鉢を持っていた。
目が合った。
あたしは見せつけるように、離れそうになった唇を戻して、さっきよりずっと熱いキスをした。
「っ...先輩」
「もう、部活以外で先輩はナシよ。これからは真琴。ほら、早く着替えてらっしゃい」
「...うす」
智樹を部室に行かせて、松永苺花には目もくれず準備をした。きっと、よほどショックを受けているはず。ざまぁないわ。
