「山野さん、ここまで原因が分からないならやってみる価値はありますよ。」
ナガセはサクラの意見を汲んで、
石神工業の人間へ懇願する。
「もし何もなかったらどうするんですか!?こんな障が・・。」
「おい山野さん、
発言には気をつけろよ?」
やばい!
山野さんが言いかけた言葉にナガセが被せるようにして怒気を込める。
慌ててナガセと山野さんの間に割って入った。
「山野さん、こうしましょう。
実際に設備を分解するのは私と田中の方で行います。
そちらからは申し訳ないけど1人だけ出勤頂いて“立ち会い”をお願い致します。
これなら休出人数が1人に限定できるから問題無いでしょう?」
「しかし虎様、お言葉ですが設備の分解作業は専門知識が無いと・・・。
うちの人間しか出来ませんよ?」
「大丈夫です。
田中なら出来ると思いますし、
私も以前の担当者 鳥越から色々聞いていますので。」



