壊れそうなほど胸が苦しくて



「イチャモンってどういうことよ!?
これで間違えてデータ入力したら私の責任になるんだよ?」


「あの子が1日でどれだけの伝票を処理してるのかお前も知ってるだろ。

その中から1枚を取ってこんな事言われたら敵わないよ。

お前が口癖のように言ってる、
“効率重視”を守る為に、

サクラは1秒でも早く、
1枚でも多く処理しようと努力してるんだから、これぐらいは大目に見てやれよ。」


「虎!あんたも随分丸くなったわね。

“仕事は100点満点しか求められていない。

1つミスをしたらそれは99点じゃなくて0点だ”

っていうのはあんたが昔から言ってることじゃない!?

なに?いい年こいて川島さんに鼻の下伸ばしてるの?」


「いや、そういう事を言ってるんじゃなくて!あの子は障が・・。」








「虎さん、北条さん。
少し落ち着いてくださいよ。」



お互いに若干ヒートアップしかけたその時、

俺達の頭へバケツの水を被せるように、
しばらく黙っていたナガセが口を開いた。