壊れそうなほど胸が苦しくて
















サクラからの報告を受けた後、
俺はナガセの元に走った。


ナガセは今、取引先を会社に招いて打ち合わせをしている。


邪魔になるのは分かっていたが、
いてもたってもいられなくなっていた。






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「めっちゃ似てるって!」

「確かに似てるなぁ。」
「こんな可愛い子が
うちに入ってくるなんて!」
「でも耳が聞こえないって・・
田中課長どうするつもりなんだろ・・。」




「あの女優さんなんて名前だっけ?」

「知らない。」
「え~っと・・・・・・。北川景子?」
「似てるけど違うよ。
・・・でも思い出せない。」




「じゃあいいや。
曲名から“サクラ”にしよう。
凛子ちゃんのあだ名はサクラ!」


「ややこしい!」
「虎先輩・・。
山村が“ナガセ”だけでも僕らたまにパニクるんだから勘弁してくださいよ~。」
「・・ややこしいよ。」




「なんだよ連れねぇなぁ。
・・・ナガセはどう思う?」


「・・・・・・・。」


「おいナガセ、何ボ~っとしてるんだよ。」


「・・あ、すみません。いいと思いますよ。俺もサクラって呼びます。」

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