神崎優。

それが病弱くんが、日頃使う名前。

鶏頭院優。

これが病弱くんの、本当の名前。



あたしは病弱くんが亡くなったことが

信じられなくて、メールのやりとりを

眺めてた。

今日は学校に行きたくなくて。

部屋に閉じこもって、時々泣いてた。

そんな時、お母さんが誰かと話す声がした。

声が聞こえ始めて5分くらいたった時、

お母さんがあたしの部屋のドアを開けた。


「美穂、これに着がえて」


あたしに手渡してきた服はブランド物で、

一体何事かと、驚いてとりあえず服をきた。

服を着ると、部屋から出されて

玄関に連れていかれた。


「美穂ちゃん、ちょっと遊びに行かない?」


そこには病弱くんのお母さんがいて、

外には高級車が止められていた。


「今日、通夜があるんだけど__」


「それまでに元気にならなきゃ、ね?」


通夜。

あたしは行かないといけないの?


「どこ行こっか」


今日は病弱くんのお母さんと

思いっきり楽しもうと思った。

前向きにいかなきゃ。

あたしは通夜に行かなきゃ。