クラスの子は気になってるみたいだったけど、

あたしが急いでるのを見て、

何も聞いてこなかった。


保健室にカバンを持って戻ると、

まだ救急車がきてなかったから

病弱くんのいるベッドに行って、

また手を繋ぐ。


「頑張れ・・・頑張れ・・・」


ベッドに顔を伏せて、布団から片手だけ、

あたしと繋ぐためだけに出された手。


あたしの手を、

病弱くんはいつもより強く繋いでた。