周りのビルも凄く綺麗だけど…この美容院は一際目立つ。
「蓮の家って…お金持ちなんだ…」
確かに、あの蓮の家…マンションは立派だったよね。
『お、9時じゃん』
亮がそう言った時…店内に明かりがついた。
『冬嘉、入るぞ』
亮の言葉に…やっぱり入るんだ、と思って一瞬気が引く。
……けど…
見たい。
あたしはゆっくり頷いた。
それを見た亮は歩き出した。
追うあたし。
何だか緊張して、鼓動の早さが尋常ではない。
近付く美容院。
…あ~っ!
静まれ心臓!
その時、亮がドアを引いた。
………っ、
店内へと入る。
美容院のシャンプーのような良い香りが漂っている。
………凄い。
店内はガラス張り、観葉植物とかが置いてあって、床も壁もピカピカ。
どんだけ綺麗なの!?
てかこんなセレブじゃない奴が、ここに居て良いんだろうか…?
あたしが呆然と突っ立っていると。



