『冬嘉みてぇにうるせぇ奴を黙らせんのは……』
蓮があたしの身長に合わせるように、少し屈んだ。
っ………
心臓が跳ねた。
蓮の美白美麗な顔が至近距離にある。
蓮の真っ直ぐな瞳に映るあたし……
もうそれだけで…とろけそうな脳と、暴れる心臓……。
高鳴る胸は、蓮が好きと訴えていて。
全てが…あたしの体も心も、全て……
蓮に飲み込まれてしまいそう…
『何みとれてんだよ』
蓮は楽しそうに喉を鳴らして笑った。
~~っ。
「みとれてない」
あたしがジッと蓮を見ると、蓮は優しく微笑んだ。
酔っ払っているからかな……
癖は変わらなくても、何か違う。
あたしにしか見れない、違う蓮…
あたししか知らない…蓮……
『俺はいつもお前、見てるけど?』
………癖。
強調する所を点で区切って、疑問符をつける。
蓮の癖。
酔っ払っているからか…こんな事を言ってくれるのは。
でも…蓮の真剣な目に…この言葉は嘘じゃないんだなって
思った………



