蓮は口の端を微かに上げて、あたしを見つめた。
一気に、心拍数が上がる。
「れ………ん?」
あたしは何とか蓮から逃れようとするが……それも無意味。
蓮はあたしをしっかり掴んで離さない。
……ひぇーっ!!
あたしは顔が熱いような、冷めるような気持ちに陥った。
『…あったけぇ』
蓮はそう呟くと、あたしを抱きしめてきた。
……!!?!!?
「れ、蓮!?」
あたしは蓮を引き剥がそうと試みるが、やっぱり無理で。
『今日…俺ん家、来ねぇ?』
蓮の少しかすれた低い声が、脳内に甘く痺れるように響いた。
……っ、
「バ、バッカじゃないの!?
行く訳無いから!!」
顔の熱は、寒さに関わらず上がっていく。



