何この密着は!?


ドクン…ドクン…



心臓の音が蓮に聞こえてしまいそうで。

顔が火照っているのが
自分でも分かる。








『………冬嘉』


蓮が低くかすれた声で、耳元で囁くもんだから、思わず身震い。






『何で三宅と居た?』




さっきの強気な蓮とは違う
………弱々しい声。




「だって……」


先程の女子の黄色い歓声が
頭に蘇ってくる。






「女子皆が……
蓮を応援してたじゃん…」


あたしが顔の熱さを感じながら小声で言うと、






『は?』



蓮にどういう意味?
って口調で聞かれた。






「だから…えと…」


何というか……






「あたし1人なんかの応援より………女子達の応援の方が…良いでしょ?」



蓮は何も言わない。





外にいる1年生に
気付かれるかが怖い。





「あたしが応援しなくても………点入れちゃうしさ…
女子には彼女なのに何で応援しないの?って睨まれるし…」




ドクン…ドクン…




声も、心臓も、
蓮に抱きしめられる体も、


全て震える。






「蓮……人気だし…
あたし…蓮にキャーキャー言う女にはなりたくないもん……」




自分でも何を言っているか
全く分からない。



支離滅裂だ。