中谷くんとのLINEを開くと、自己紹介みたいな内容ものが来ていた。返信を返すと、既読は即座についた。話を聞いていると、中谷くんは、大和工業の監督に推薦され、神奈川県からやってきた人だった。ネットで「中谷拓士」と調べてみるように言われると、サッカーのすごい選手は必ず取り上げられているゲキサカにその名はあった。写真もいくつか載せられていた。中谷くんはすごい人だと改めて、私は感じた。でも、中谷くんがすごい人だと思えば思うほど、どうして私のことを見つけ、そして、声をかけたのだろう?と、疑問がよぎるばかりだ。質問を問いかけると、毎回、「タイプだった」という返信がくる。その言葉に対して、信用していなかった訳でもないし、嫌悪を抱いた訳でもない。逆に、都会出身の男の子はストレートに物事を言うことに、驚きと共に嬉しかった。私はふっと自分のプロフィール写真を、見た。LINEの私の写真はイラストであった。これはもしや…私の顔を理解していないのでは?と私の頭でよぎった。自慢ではないが、私の学校の女子サッカー部は、部活の中でトップを争える顔面偏差値をもっている。だから、きっとこれは私に対してではない!と思った。しかし、答えは嬉しいような、外れて残念なような、不思議な思いに私をさせた。みんなの写真を送り、どれ?って聞いたら全ての写真から私を選んだ。彼の探していたのは本当に私だったようだ。だとしたら、彼は約5ヶ月間、ずっと覚えていてずっとその感情でいてくれたのだと思った。すごい精神だと私は驚いた。彼は自己PRがすごい人間だった。自分の身長は、177cmある長身だということや、今年の選手権は県予選まではちゃんとスタメンだったこと、来年からの新大勢のチームの要となるDFに自分は入っていること、ここに来たのは、自分の意思もあったが、主に大和工業からの推薦だったこと。たくさん、私に教えてくれた。それが自慢ということは分かっていたものの、不思議と不快な気持ちにはならなかった。それどころか、もっと聞きたい、教えて欲しいと思った。それは彼のレッテルが凄いからだろうと、このときの私は思っていた。
彼と話すのは、とても楽しかった。日々、勉強や部活、人間関係に追われる生活の中で、私は夢心地を感じさせられる時間が彼と話す時間であった。
中谷拓士:なんて呼べばいい?
小金井あすか:友達からは「かね」って呼ばれてるよ〜
中谷拓士:あすかでもいい?
小金井あすか:え笑
彼の一言一言に、私は笑みが零れる。こんな時間がずっと続けばいいのに…。
中谷拓士:だめかな?笑笑
小金井あすか:いいよ〜!
中谷拓士:ありがとう!!俺のことはたくって呼んで!
男子のことを下の名前で呼ぶのは、私の育ってきた環境では、彼氏という立場になってからだった。だから、中学校の頃とか、幼馴染の男の子を下の名前で呼んでいるだけで「付き合ってるの?」など、よく聞かれた。だから、皆彼氏になったら、彼女になったら、下の名前で呼ぶというのが、よくある話だった。そうしていなかった者もいたが、多数のひとが、暗黙のルールに従っていたであろうと私は思う。それが、私の中でいとも簡単に破られた。
小金井あすか:わかった!
彼は、私のことが気になっているのだ、よくよく考えれば5ヶ月ほど思っていたんだ。気になるという感情から一線を超えて、もう好きなのではないか?自分の中で妄想が膨らんだ。それと共に、幸せな気持ちになった。
彼と話すのは、とても楽しかった。日々、勉強や部活、人間関係に追われる生活の中で、私は夢心地を感じさせられる時間が彼と話す時間であった。
中谷拓士:なんて呼べばいい?
小金井あすか:友達からは「かね」って呼ばれてるよ〜
中谷拓士:あすかでもいい?
小金井あすか:え笑
彼の一言一言に、私は笑みが零れる。こんな時間がずっと続けばいいのに…。
中谷拓士:だめかな?笑笑
小金井あすか:いいよ〜!
中谷拓士:ありがとう!!俺のことはたくって呼んで!
男子のことを下の名前で呼ぶのは、私の育ってきた環境では、彼氏という立場になってからだった。だから、中学校の頃とか、幼馴染の男の子を下の名前で呼んでいるだけで「付き合ってるの?」など、よく聞かれた。だから、皆彼氏になったら、彼女になったら、下の名前で呼ぶというのが、よくある話だった。そうしていなかった者もいたが、多数のひとが、暗黙のルールに従っていたであろうと私は思う。それが、私の中でいとも簡単に破られた。
小金井あすか:わかった!
彼は、私のことが気になっているのだ、よくよく考えれば5ヶ月ほど思っていたんだ。気になるという感情から一線を超えて、もう好きなのではないか?自分の中で妄想が膨らんだ。それと共に、幸せな気持ちになった。


