成人式が終わり、ケーキを届けるために紫苑の家にお邪魔した。


紫苑が帰ってきて言った。


『何で、あっくん、家におるん?』


「ケーキ届けに来たから。」


『何で家知ってんの?』


「企業秘密。」





そら、秘密にしとけへんかったら怖いやろ?


はっきり言ったら、逃げていくやろ。


わかってへんかも知れんけど、紫苑。





何で、病院行ったか知ってるか?


何で、大人っぽいって言ったか知ってるか?


何で、姉貴に紫苑の話してたか知ってるか?



まぁ、紫苑にはわからへんやろな?


俺が姉貴に話していた紫苑の話の内容を聞いても、


『別に良いやん。だって、別に憧れてただけやろ?っていうか、そのとき相談のって欲しかったんちゃうん。結構おったから。男の子が、相談持ってきたこと。』


と言い切る君にはわからないだろう。




君と同じ大学に入りたくて、大学のランクを落としたり



君のバイト先を知りたくて、君の後ろをつけてたとか



ずっと男運が悪かったのは、君の彼氏を脅迫してたからとか




言い出したらきりがない。





大人っぽいと思っていた君は、意外に子どもだった。




もうちょっと大人になったら、俺の気持ちに気づいてくれるかなぁ、なんて淡い期待を持
つ。