「嘘やぁ…。あのときの男の子があっくん?絶対嘘や!!」


なんで?


あのときの、あっくんは、普段見てたあっくんやない。


学校でのあっくんは印象にないくらい地味やったもん。


「嘘違うで。あれは俺や。紫苑に一生懸命説明したんも俺や。」


「嘘や!!私は信じひん!!」


そう言って、席から立ち上がり、鞄を持って店を出た。


「「「紫苑!!」」」


皆が呼んでいる声が聞こえたけど、立ち止まらなかった。


私の心は子どものまんま。


昔の思い出に縛り付けられたまま進めないでいたただの子ども。


きっと、私は、大人になんかなれない…。