「どうしたん?なんか思い出した?」 何か思い出した? 何でそんなこと聞くん? 「紫苑、何か思い出せへん?」 そう言われ、考えてみる。 あっ、そうだ。 あの日、10年前のあの日。 確か、1月15日のこと。 あの日、私は泣きながら歩いていたんだ。 どうして私はケーキを食べることができないのだろうって…。 そう、10歳の誕生日の日。