「こんにちは」



自動ドアが開き、私は挨拶する。



入って来た人が私の顔と名札を見比べ言う。



「笠原?…あっ!笠原紫苑やん。変わってへんなぁ。覚えてる?」



一体誰やねん!



そう突っ込みたいけど、今はバイト中。



予約表と診察券を照らし合わせながら顔をあげて言い放つ。



「平山篤弘様ですね。3時からご予約の。順番が来たらお呼びしますのでおかけください。」



私はマニュアル通りに応対する。



今日のバイト時間は1時から5時。



5時半にバイト先をでる。



今日は7時から居酒屋のバイトがあったなぁ。



そう考えると、早く家に帰らなきゃ間に合わない。



でも…