楽しそうに言う知佳さんが少し怖い…。


でも…。


「聞かなきゃあかんやろ?聞く。」


知佳さんは話してくれた。


「篤弘、昔チビやったやん。なんか紫苑に憧れてたみたいやで。いつも【僕も紫苑ちゃんみたいになりたい】ってずっと言ってた。」


「なんで…?」


「篤は昔から紫苑が大人びてみえてた。冷静沈着で人の相談によく乗ってたって。ずっと見てたみたいやね。」


私を見てた?


どうして?


「答えは一つやない。たくさんあるんやで?それに気づくのは紫苑次第。」


私の考えは全て声に出ているようだ。


私は考えるしかなかった。