後々聴いたのだが、オヤジやお袋に知らせてくれたのは、皮肉な面のライバルだった。。


浩輝は船着き場から俺の家まで駆け出して、オヤジとお袋に、泣き叫んで陸が、海に堕ちて死んじゃうと伝えてくれたらしい。。

海中から見えた浩輝の顔は俺の中の醜い悪魔が創り出した幻想だった。。

そして、俺のオヤジは黙って俺の頭を撫でて俺に背中を向け何も言わずに待っている。。

俺はオヤジの広い背中にしがみつき涙を流した。

オヤジは俺を背中におぶりながらゆっくりと家へと歩き出した。。


オヤジの背中で顔をうずめ涙と声を殺している俺に、オヤジは一言語り欠けてくれた。。


オヤジ
「陸。今度泳げる特訓しような。。お前は漁師の息子だから。。」



「…ヒ…」

俺は声にならない返事をオヤジの背中に頷いて伝えた。。


オヤジの背中はでかかった…