ゆりなの部屋にて。



「はい、久也。
はい、龍平くん。」



二人に
飲み物をだした。




「ありがと、ゆりな」



「サンキュー!」


「いえいえ」



「あ、そうだ。
言いそびれてた。

ゆりな、卒業おめでとう。
ついでに久也も
卒業おめでとう。」




「ありがとう。」


「どうも。
俺、ついでかよ」



「これで晴れて
二人とも4月からは
A大学生だな」




「おかげさまで。」



「ゆりなが
もう大学生か。
成長するのは早いな…」


「親戚のおじさんか」



「私たちと1つしか
違わないのに変なの」



「だってさ~
ゆりなの頭を
なでなですることも
なくなるかと思うと…
泣いちゃいそうで」


「いやいや、言っていることと
反対に、笑ってるじゃん」


「せめてゆりなが
嫁に行って子供ができるまでは
俺が見届けなくては!」



「龍平くん
そんなに心配しなくても
私は大丈夫ですから」



「まず自分の将来
考えたらどうです?」


「あ、そうだよな。
俺、彼女作ろう」



「それがいい」



「でもな~
俺の彼女がゆりなだったら
いいのにな」



「それは絶対お断り!」



「もし、ゆりなに
変なことしたら
ただじゃ済ませない」



「俺がそんな男に
みえるかよ?」



「「みえる」」


私と久也は
声を揃えて言った。


「あちゃ~」




お母さんが
買い物から帰ってきて
卒業パーティーが
始まった。



今日の卒業式が
終わりを示すわけじゃない。


卒業式は
新しい始まりへの
スタートラインだと思う。


3年間は
あっという間だった。



短かったけど
たくさんの思い出が
詰まった3年間だった。