私たち人魚は、
罪をおかして海に追い出された、
人間だったのだ。
だから、愛する人との愛を見つけると、
呪いが溶ける。
「さようなら」
「気をつけてね」
アサヒは、パッと振り返った。
彼が、返事をしたと思ったからだ。
そんなはずはないのはわかってる。
だけど...
彼がほんの少しだけ、微笑んだと思った。
アサヒは、海に飛び込んだ。