声が聞こえるキミ

「ねぇ」
ペンダントを返そうと、
手のひらに置いて彼に差し出すと、
彼は手を重ねてきた。
「これは、君にあげるよ」
そういって、アサヒの手の指を曲げ、
スッと押す。
「!」
アサヒは、必死に首を横に降る。
こんな綺麗なものはもらえないし、
彼がどれだけこのペンダントを
大切にしていたか、
アサヒはよく知っている。