そのため、どちらの種族も、
お互いに近づこうとはせず、
興味も持たないようにしていた。
それがいつしか、暗黙の掟となっていた。
けれど、その掟を知りながら、
それでも互いに興味を持ち、
近づきあってしまう。
そんな者たちは、
追放され、消え、死んでいってしまった。
誰一人と行方は知らず、
なぜそうなったのかも知らない。
そんな罪をおかしてしまう者たちを、
みなは『裏切り者』と呼んでいた。
そして、ここにも一人......