アサヒは彼を、
洞窟につれてきた。
ここは、アサヒのお気に入りの場所だ。
雨風をしのげるし、
ここからが一番船が見やすい。
何よりも、誰も近寄ってこない。
ここなら、彼も過ごしやすいだろう。
「へぇ、いいとこだね」
彼は、洞窟を見ると楽しそうに笑った。
ずっとキョロキョロして、
洞窟のなかを見渡す。
その間にアサヒが、
海辺で見つけた救急箱をもってきて、
ヒレで水面を叩いて音を出した。