アサヒは、下を向いたまま動かない。
今ならまだ、逃げられる。
彼とは関わらず、なにもなかったように、
いつも通りの日々に戻る。
だけど...
アサヒはそっと、岩に頭をつける。
彼ならきっと、わかってくれる気がした。
私に気がついたのなら、
声が聞こえるはずだ。
けれども、あと一歩が前へ出なかった。
「なにもしないよ、怖がらないで」
彼が、優しい声でいう。
だからアサヒは、一歩前へ踏み出した。
今ならまだ、逃げられる。
彼とは関わらず、なにもなかったように、
いつも通りの日々に戻る。
だけど...
アサヒはそっと、岩に頭をつける。
彼ならきっと、わかってくれる気がした。
私に気がついたのなら、
声が聞こえるはずだ。
けれども、あと一歩が前へ出なかった。
「なにもしないよ、怖がらないで」
彼が、優しい声でいう。
だからアサヒは、一歩前へ踏み出した。



